Brain-Machine Interface
脳信号を読み取り機械やコンピュータを制御したり操作したりする技術は、ブレインマシンインタフェース(BMI)と呼ばれており、社会を変える技術として期待されています。高時間分解能かつ高空間分解能での脳信号計測を可能にするBMIとしては、頭蓋内に電極を挿入し、直接的に脳の電気的活動を計測する侵襲型BMIが研究開発されています。しかし、侵襲型BMIでは、電極を頭蓋内に挿入しなければならないため、外科的手術が必要であり、生体拒否反応、脳組織や脳血管への傷害、電極の経年劣化などの安全性の問題があります。また、脳の広範囲に頭蓋内電極を配置することは難しく、脳全体をトータルシステムとして計測解析することは困難です。一方、傷や痛みを与えない非侵襲型BMIとしては、脳波計(EEG)、脳磁計(MEG)、機能的MRI(fMRI)、機能的近赤外分光法(fNIRS)がありますが、これらの非侵襲型BMIでは、侵襲型BMIのような高時間分解能かつ高空間分解能での脳信号計測はできません。当社は、高時間分解能かつ高空間分解能で全頭の脳信号を非侵襲的に読み出すことを可能にする磁界バイアス式脳信号計測技術(Magnetically Biased Probe : MBP)を発明しました。
磁界バイアス式脳信号計測技術
Magnetically Biased Probe (MBP)
Our Technology
MBPでは、頭表に置いたコイルにより頭部の内部に向けて発生させた静磁界を脳の最外層にある大脳皮質まで透過させます。静磁界は大脳皮質内の神経電気活動に伴い変動し、この変動磁界をコイル上端に置いた磁界センサで計測することにより脳の電気的活動を読み取ることができます。コイルから発生させる磁界は環境に存在する地磁気程度の強度であり安全です。さらに、原理的に非接触での脳信号計測が可能であるため、キャップをかぶるだけで簡便に使用できるブレインマシンインタフェース(BMI)を実現することができます。
全頭型159チャネルMBPシステムのプロトタイプ
この磁界バイアスプローブ式BMI (MBP-BMI) は、当社が独自に創出した技術であり、現在まで159チャンネルの全頭型脳信号計測システムを開発しています。優れた空間精度で脳全体から脳機能ダイナミクスの読み出しを可能にする革新的な非侵襲BMIです。
MBP-BMIには従来の侵襲型および非侵襲型の技術を凌駕する以下のようなアドバンテージがあります。
- 高時間精度かつ高空間精度での脳信号計測が可能
(EEGやMEGでは、計測データからの脳活動部位の特定は一意解のない不良設定問題となり、空間精度には根源的な限界があります。MBPでは、特段の解析を用いなくてもダイナミックな脳活動情報を優れた空間精度で即座に得ることが可能です。) - 安全、非侵襲
- 全頭計測による脳全体の脳情報の計測が可能
- 信号対ノイズ比が高く、計測信号のクオリティが優れている
- 簡便な使用が可能 (キャップをかぶるだけでOK!!)
- 体動の影響を比較的受けにくく、運動中の脳活動の計測が可能
株式会社Gush
代表取締役
樋脇 治
E-Mail
gush.jpn@gmail.com